住宅手当の相場はいくら?
毎月口座から引き落とされる家賃、賃貸住宅派にとって家賃は家計の出費の大半を占める出費、少しでも安く抑えたいものです。
住宅手当の制度を知り活用すると、毎月の家賃がチョット楽になったり、もう少し広いところに住めたりします。制度を知っているのと知らないらとでは大違いです。
ところで、住宅手当の相場はいくらなのか、どれくらいもらえるのか気になるところ、早速紹介します。
住宅手当の平均支給額は17,000円
厚生労働省の調査「平成27年就労条件総合調査の概況」によると、住宅手当の平均支給額は17,000円、平成22年調査より1.5%ほど増加傾向です。
支給額は企業規模により差があり、大企業ほど支給額が高額になる傾向があります。
企業規模 | 住宅手当 | 支給企業割合 |
---|---|---|
平均支給額 | 17,000円 | 45.8% |
1,000人以上 | 19,333円 | 59.1% |
300〜999人 | 17,818円 | 59.7% |
100〜299人 | 15,832円 | 55.3% |
30〜99人 | 14,359円 | 41.4% |
住宅手当は全ての企業に制度がある訳ではなく、設けている企業は全体の45.8%、半数にも満たない状況です。
企業規模が大きいほど住宅手当を設けている割合が多くなりますが、それでも制度有りは6割弱の企業に留まります。
毎月17,000円、年間にすると204,000円の補助があるのとないのとでは家計にとって大きな違い、住宅補助のある企業で働きたいものです。
住宅手当の支給額は減少傾向は本当か?
日本の景気が長期で低迷している中、家賃補助が減少傾向にあるといううわさを耳にします。
うわさは本当なのかデータをもとに検証していきます。
一般社団法人 日本経済団体連合会が発行した「第63回福利厚生日調整結果報告」に 1980年度以降の住宅関連費用の推移が掲載されています。
データによると残念ながら2000年度を境に住宅手当が含まれる住宅関連費用は減少傾向になっています。
住宅手当が減少傾向にあると言ううわさは残念ながら本当のようです。
今後についても残念ながら増加は期待できないと言う意見が多い傾向です。理由は次の2つです。
家賃補助は将来的にな廃止になるかもしれません。ならないにしても減少傾向に変わりはないでしょう。
もらえるうちにもらっておく、そして、もらえなくなっと時の事を考えて備えておくのがベストです。
住宅手当の相場とは業界で金額が違う
企業による住宅手当の相場は毎月17,000円、この金額は業界によりどの程度違うのでしょうか?
厚生労働省が発表した「平成27年就労条件総合調査の概況」より紹介します。
業種 | 住宅手当 | 平均との差額 |
---|---|---|
鉱業,採石業,砂利採取業 | 11,136円 | −5,864円 |
建設業 | 16,760円 | −240円 |
製造業 | 14,178円 | −2,822円 |
運輸業、郵便業 | 15,471円 | −1,529円 |
卸売業、小売業 | 18,305円 | +1,305円 |
金融業、保険業 | 19,151円 | +2,151円 |
不動産業、物品賃貸業 | 20,571円 | +3,571円 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 19,808円 | +2,808円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 15,442円 | −1,558円 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 17,753円 | +753円 |
教育、学習支援業 | 19,189円 | +2,189円 |
医療、福祉 | 15,727円 | −1,273円 |
複合サービス事業 | 12,091円 | −4,909円 |
サービス業(他に分類されないもの) | 23,480円 | +6,480円 |
家賃補助が多い業界トップ3は、「サービス業」・「不動産業、物品賃貸業」・「学術研究、専門・技術サービス業」になります。
逆に少ない業界ワースト3は、「鉱業,採石業,砂利採取業」・「複合サービス事業」・「製造業」です。
業界による家賃補助の最大差額は、「サービス業」と「鉱業,採石業,砂利採取業」との差額で、月12,344円、年間123,440円にもなります。
たかが家賃補助されど家賃補助、今の家賃補助に納得できない場合は業界を変えて転職するもの一つの手です。
住宅手当の家賃補助は国や自治体にもあり
地方自治体からもらえる家賃補助
地方自治体にも家賃補助制度があります。ただし自動で給付されることはなく申請しないともらえません。定期的な情報ウォッチングが大切です。
地方自治体による家賃補助の一例を紹介します。
①東京都新宿区「民間賃貸住宅家賃助成制度」
対象者 | 子育てファミリー世帯向け |
助成額 | 月額3万円 |
期間 | 最長5年間 |
公式サイト | https://www.city.shinjuku.lg.jp |
②岐阜県高山市「若者定住促進事業補助金」
対象者 | 高山市へU・I・Jターン就職した若者で、賃貸住宅・借家を借りられた方 |
助成額 | 家賃の3分の1以内で最大月額1万円 |
期間 | 最大1年間 |
公式サイト | https://www.city.takayama.lg.jp |
③福岡県大牟田市「UIJターン若者就職奨励金制度」
対象者 | UIJターンで市内に転入した若者が、賃貸住宅に居住し、かつ中小企業等に就職した場合など |
助成額 | 年額12万円 |
期間 | 最大3年間 |
公式サイト | https://www.city.omuta.lg.jp |
家賃補助制度は自治体独自で実施しているため、すべての自治体に制度があるとは限りません。
また募集が突然中止になったり、今までなかった自治体でも新規に発足したりします。
次のサイトを参考にお住まいの自治体のホームページを定期的にチェックすると、最新情報を見逃すこと無いのでおすすめです。
家賃補助チェックのおすすめサイトはこちら→ 一般社団法人 移住・交流推進機構 全国自治体支援制度検索
特定優良賃貸で国と自治体から家賃補助
家賃補助には国と自治体からもらえる特定優良賃貸という制度があります。
特定優良賃貸とは、「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき、都道府県や住宅金融公庫などの資金を利用して建設された賃貸住宅です。
世帯の所得額に応じて、家賃の一部を国や県または市が最長20年間も補助してくれるありがたい制度です。
詳しい情報は各自治体や特定優良賃貸住宅を提供する住宅供給公社のホームページで確認してください。
参考までに大阪府の場合は次の通りです。
大阪府のホームページ
https://www.pref.osaka.lg.jp/jumachi/tokuyuchin_nyukyo/index.html
大阪府住宅供給公社のホームページ
https://www.osaka-kousha.or.jp/oph-search/
住宅手当の支給条件は厳しいのか?
家賃の一部を補助してくれる有り難い制度、毎月の出費を抑えるためにもぜひ利用したいけど支給条件が厳しそうです。
実際にどんな条件をクリアする必要があるのか、企業・地方自治体・特定優良賃貸のそれぞれのケースで紹介します。
企業の場合│正社員と会社の近くが条件
企業での家賃補助の支給条件は、それぞれの企業で個別にルールが決められています。参考までに一般的な支給条件を紹介します。
項目 | 条件 |
---|---|
雇用形態 | 正社員であること |
物件の所有 | 賃貸であること |
物件の契約者 | 支給対象者であること |
会社までの距離 | 会社から◯km圏内、通勤◯時間以内など |
会社に近い賃貸住宅に住んでいる正社員を支給対象にしている企業が多い傾向です。詳しくは勤務先の人事などに確認してください。
地方自治体の場合│住民と年齢制限あり
地方自治体から家賃を補助してもらう場合、もちろんその自治体の住民であることは必須条件です。他の条件は自治体の目的により異なります。
参考までに一例を紹介します。
①東京都新宿区「民間賃貸住宅家賃助成制度」
項目 | 条件 |
---|---|
世帯要件 | 基準日時点で、申込者本人が義務教育修了前の子どもを税法上扶養し同居していること。 |
家賃要件 | 月額家賃が、22万円以下であること。(管理費・共益費は除く) |
所得要件 | 世帯全員の前年中の総所得合計が、520万円以下であること。 |
②岐阜県高山市「若者定住促進事業補助金」
項目 | 条件 |
---|---|
職業 | 高山市内の事業所に常用労働者として就職または就業(家業に従事または開業)した方 |
年齢 | 就職または就業した日の年齢が45歳未満の方 |
応募期限 | 上記条件のいずれか早い日から1年を経過していない方 |
その他 | 高山市に定住する意志のある方 |
③福岡県大牟田市「UIJターン若者就職奨励金制度」
項目 | 条件 |
---|---|
職業 | いずれかに該当すること ・市内の中小企業等に正規雇用で就職をした ・市内で起業し、事業を行っている ・市内で新たに個人事業(農業・漁業など)に従事した(経営者・事業専従者) ・市内で家族が経営する事業を引き継ぎ、事業を行っている |
年齢 | 就職日現在の年齢が満45歳未満であること |
転入歴 | 大牟田市外に住所を有した後、大牟田市に転入 |
転入日 | 転入日(転入をした日)が就職日の3か月前から6か月後までの間にある者 |
住居の種類 | 賃貸住宅(社宅、寮等を除く)を借りて、その家賃の支払いをしている (契約者が本人の場合に限る) |
いずれの自治体も収入基準だけで家賃を補助する訳ではなく、年齢や家族構成、定住の意思など自治体がかかえる人口構成の課題解決が目的のようです。
条件がうまくマッチした方はお得な制度になりますので、お住いの自治体のホームページで定期的な情報チェックをおすすめします。
特定優良賃貸の場合│収入に下限条件もあり
特定優良賃貸の入居条件は管轄の住宅供給公社が定めています。自治体の家賃補助とは異なり収入条件は上限に加え下限が設けられており注意が必要です。
参考までに一例を紹介します。
所得条件が地域により異なります。詳しくはお住いの地域を管轄する住宅供給公社へ確認をおすすめします。
どうせなら住宅手当のある企業へ転職する
このまま今の企業で働き続けても大して出世や昇給を望めない、そんな時に転職を考える方は多いでしょう。
転職を機会に家賃補助のある企業へ就職すると、毎月の住居費を節約できます。
浮いたお金でマイホームの資金にしたり、趣味や旅行に使ったりと余裕資金があると夢が膨らみますね。
家賃補助のある企業へ転職するのに役立つ転職サイトを紹介します。
doda(デューダ)│豊富なこだわり条件で検索できる
dodaで求人を検索する際に設定できるこだわり条件では、「待遇・福利厚生」カテゴリーで「社宅・家賃補助制度」を選択できます。
家賃補助にこだわりたい方にオススメの転職サイトです。
doda(デューダ)について詳しくはこちら→ 【dodaの評判】使いにくい?デューダでの転職の口コミ
リクナビNEXT│使いやすいサイトが評判
リクナビNEXTの求人検索は、職種・勤務地・働き方の3つを選択する構成になっています。
そのうち「働き方」の「福利厚生の特徴」カテゴリーには「社宅・家賃補助制度あり」の項目があり、チェックすると家賃補助ありの企業を検索できます。
企業へ問い合わせる必要なく家賃補助制度の有無が分かる転職サイトは有り難い存在です。
リクナビNEXTについて詳しくはこちら→ 【リクナビNEXTの評判】口コミと転職サイト・リクナビネクストの評価
【住宅手当の相場】まとめ
賃貸住宅で生活していると毎月の支出で一番金額が大きいのは家賃、これを補助してくれる家賃補助の制度は有り難い存在です。
企業からの住宅手当の平均は1万7千円、年間20万4千円は大きな収入になります。
とは言え調査すると、会社の規模や業界により住宅手当の金額はまちまち、どうせなら少しでも多くもらいたいものです。
今の仕事に不満がある、キャリアを積み上げたいなど転職を考えているのなら、住宅手当のある企業を候補にすると給与以外の収入もゲットできます。
記事で紹介した転職サイトでは、住宅手当制度を設けている企業を検索できる機能があり便利です。無料で利用できるので参考にしてください。
たかが家賃補助されど家賃補助、もらえるものはもらっておいた方が自由に使えるお金が増えます。
余裕資金であなたは何をしますか? 考えるとワクワクですね。
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